夏が来れば思い出す

夏が来るたびに思い出すのは10年前の闘病生活のことだ。郵便局に勤務していた52歳の夏、白血病と診断されたのである。あの時も暑かった。8月10日が退院日だったので丁度今頃は、骨の中を打ち砕くような激痛によって真っ暗な深い深い海の底へ落ちてゆく回想から抜け出て、死の峠を奇跡的に超えた頃だと推測できる。自宅療養後、9月から職場に復帰した。分子標的薬のおかげで骨髄移植せずに元の生活に戻れた。しかし、生きて行くことは死んで行くことと同じことと気付いた時、もうサラリーマンを続けることは不可能だった。人生のカードを他人に握られた生活は耐えられない。たとえ生活があり、家族があるとしてもこれからは自分の人生をなんとか作らなければ生きている意味がないと思った。悶々としながら勤めたが3年後に退職、今の自営業を始めてもう8年目に入った。いろいろあるけれど生きてればこそだ、さあ、今年の夏も頑張ろう。

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夏が来れば思い出す への2件のコメント

  1. 沖田 伸治 より:

    私の場合は仕事をつづけるしかなかった、会社にやや大きな
    借金をしたので?、当時の開発費を8割方も使うので?
    成功させるしかなかった。幸いに生産・営業のどちらにも
    助けてもらって幸せ者でした。今日今月2回目の受診日
    でした(4週おきなので)変わらずでした。夏は初めての
    勤務になります、結構忙しいようです。ガンバ!!

    • admin より:

      そうでしたか。よかったですね。
      暑さも生きてればこそ、しっかり命を味わいながら
      暮らしたいものですね。

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