人生は目的地のない旅路

尾道で出会ったお婆ちゃん。100mはありそうな長い長い坂道を荷物を持ちながら一気に上る。腰を曲げたまま、ただ階段だけを見つめながら上ってくる。「ごくろうさん」と声をかけて私の前を通り過ぎて行った。お婆ちゃんの家は一番頂上にあった。今まで生きてきて、いったいこの階段を何十年、何万回、上り下りしてきたのだろうか、どんな人生を歩いてきたのだろう・・・・ わたしは思う・・・・老いることも、死ぬことも、生半可ではない。家族がいようといまいと、かたわらに誰がいようといまいと、結局は孤独な一人の戦いで、誰もがそれを自力で乗り切らねばならない。死とは、それはやはり、「取るに足らない」、「ありふれた」、「平凡な」出来事という以外にない。お婆ちゃんの姿に教えられる・・・「死ぬことを知らなくては人はきちんとは生きられないぞ」と・・・。

 

 

 

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