健康診断時点の白血球数は25,000個、毎日約5,000個のペースで増加し、病院ではすでに5万個を超えていた。医師はパソコンのモニターを見ながら「慢性骨髄性白血病ですね。大丈夫、いまから入院して一緒に治して行こう」と言う。「私にほんとに起きたことなのか・・・?」、「もう死ぬのか、まさか?」何を聞いても言葉が返せなかった。慢性骨髄性白血病は、白血球がガン化した細胞となって無制限に増殖し、やがて急性白血病に転化してしまう不治の病であった。自覚症状のない慢性期を経て、急性期に入ると5年生存率が3割程度という厳しい状況に陥る。無治療だと約5年で急性転化し、死に至る病であった。私のガン化した細胞は増え続け、激痛で耐えきれずベットの上で狂ったように暴れる日々が始まった。死の世界に・・・暗黒の海の底に落ちていく・・・それに打ち勝つ気力や体力も失われた。「耐えられない、速くいのち果てろ!」と魂が叫ぶ。昼も夜も、時間の感覚がない空白の日々が続く・・・いや、どの程度の時間が過ぎ去ったのか、私には分かるはずもなかった。
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