正面のドアが血液腫瘍科・第13診察室。9年間このドアを出入りした。今日も血液検査後、診察室に入る。主治医「おうー、元気か、頭が白うなったなあ」。私「実は15年前から染めてたんです」。主治医「染めんでもええよ」。私「そうですねー」。主治医「腰痛は大丈夫かね?」。私「今のところ大丈夫です」。主治医「血液は異常ないねえ~、体重に変化は?」。私「変化なしです」。血液データーのプリントを受け取り、ベットに上がって横になる。血圧は正常だ。主治医が臓器に手を当てて押さえる「痛くないかね?」。私「大丈夫です」。こんな感じで診察が終わった。主治医がパソコンを操作し、次回の受信日を決める。主治医「次回も3ヶ月後にしよう、残暑厳しいときにまた会おうやー」私「はい、ありがとうございました」。主治医「じゃあー、奥さんによろしく」。私「相変わらず、骨髄バンクのボランティアを頑張ってますよ」。主治医「そうかね、ご苦労さん」。・・・・診察室を出る。とりあえず一安心だ。・・・・発病当時は、生死の淵を彷徨っていた時期もあった。連れ合いが主治医に呼ばれて「もう駄目かもしれない」と言われたことがあると言っていたが、あれからここまで元気に生きてきた。最近になって生きる意味についていろいろ思う・・・・・生きること本体の深い意味を考える前提とて、何が必要なのか、それは、死に直面することだと思う。私は生を頂いたが、同時に死も頂いたのであるから、いずれ死んでしまうことをはっきりと自覚し、それは一体どういうことなのかを粘り強く思うこと。そうすることによって、人間はいかに生きるべきかという問いに答える地盤ができるのではないかと思うのでる。そんなことをあれこれ考えながら帰路に向かった・・・・。もちろん道草して「馬路の港」を散歩し、100枚ほど写した。初夏の風景を堪能できた。